チェコでのパペット取材のきっかけとなった
パペットセラピーについて、少しご紹介したいと思います。
パペットセラピーとは、パペットを仲立ちにすることで、
自閉症や引きこもり、心に傷をもった子どもたちの心を開き、
彼らが自分自身を表現して、コミュニケーションをしていけるようサポートする療法です。
日本をはじめ、全世界でパペットセラピーが役立てられています。
佐久間奏多さん、Evaさん夫妻も、パペットセラピーの活動を
サポートしています。これまでに、両親がいない1歳~4歳くらいの
50人の子どもたちに50体の人形を作ってきました。
一人ひとりの性格や動きの特徴、好みにあわせて、一体一体、色や素材を決めて
人形を作ります。大半はフェルトによるハンドパペットだそうですが、
車が大好きな男の子には、たくさん乗客が乗っている木彫りの車を作ったことも。
乗客はおとうさん、おかあさん、おじいちゃん、おばあちゃん、おねえちゃん・・・
と言ったように彼の中で、意味づけているようです。
子どもたちは成長の過程で、困難に直面したときや、ストレスが生じたとき、さらには
将来的に、施設を出て里親のもとへ行くときなども、人形を支えにして
生きていくそうです。
そんなパペットセラピーですが、
翻って、私たちの日常へのヒントも詰まっています。
例えば、育児を通じて。
子どもが好き嫌いをして頑として食べたがらないようなとき、
つい叱ってしまう場面でも、たまたま近くにあった指人形に代弁させてみたら、
子どもが機嫌よく食べてくれた・・・そんな経験がありませんか?
子どもたちの心を開くだけでなく、
大人にとってもコミュニケーションの気づきに繋がります。
実際、職場での悩みを抱える人や思考パターンを変えられない
社会人のためにパペットセラピーを取り入れた企業研修などもあります。
古くはヨーロッパの芝居小屋で
パペットが観客の自我の投影に使われた歴史が、今も息づいているのです。
もし、大人のためのパペットに触れたい方は、
日本で唯一のパペット専門店「Puppet House」を覗いてみては?
沢則行さんや佐久間奏多さんをはじめ、
世界の著名なパペット作家の作品が集まっています。