5年前の市町村合併で、同市内の住人になった知人のSさん宅で
秋祭りがありました。
Sさんの住まいは、市の中心街にあり、家のすぐ近くに大きな神社があります。
その歴史は古く、江戸時代初期の創建といわれています。
境内には、立派な能舞台があって、毎年3日続くこのお祭りの初日、
氏子である近所のおじさんおばさん達によって、能,狂言が奉納されるのです。
めずらしいので、遠方から見に来る人も少なくないと聞いています。
素人が、仕事の合間に稽古を積んで演じるのですから、
なかなかプロのように舞うことはできませんが、
素人なのだからと、大目に見れば大したものです。
会場で配られるリーフレットには、
プログラムの他に、演目の簡単なあらすじが書いてあって、
謡を聞いているだけでは、理解することが出来ない私には、大変役に立つのです。
その解説によれば、
登場する翁は、「殺生禁断の川筋」に、鵜を入れた為に捕らえられて殺された
鵜匠の亡霊で、煌びやかな衣装を着けた恐ろしい顔の人物は、
法華経の功徳を説いている閻魔王だそうです。
少し肌寒さを感じさせる、秋の夜空に響き渡る大鼓と笛の音に
しばし、現実を忘れて、心が浄化されてゆくような気がしました。
因みに、この薪能は、新城市の無形文化財に指定されているそうです。
毎年、Sさん宅に集う何十年来の知人達は皆、私よりも年上の、高齢者たちですが
今年も、皆がこうして顔を合わせられた事を幸せだと思い、
これからも、この集まりが、末永く、一人も欠けることなく続いてほしいと
願いつつ帰ってきました。









